実際の書籍は縦書きです。改行など書籍とは異なる編集がされております。
この広い世界で、たくさんの書籍の中から、この本を見つけていただき、本当にありがとうございます。本書は、物語を通して、生きたマーケティングが学べる実践の書です。
マーケティングの原理原則から、マーケティング戦略の考え方、作戦の立て方、戦術を動かし成果を上げるための具体的なノウハウまで、ストーリーを楽しみながら、実践的なマーケティングを学ぶことができます。
マーケティングを学ぶ時、たくさんの書籍を読んだり、そこに書いてある用語や理論を丸暗記したりしても、実践ではあまり役に立ちません。本当に必要なことは学びを通して「気づき」を獲得することです。
本書をお読みいただくにあたり、ただストーリーを追いかけるのではなく、物語の登場人物と一緒に、考えをめぐらせ、ぜひ、あなただけの「気づき」を獲得してみてください。そして、機会があるなら、その気づきを小さな行動へと繋げてみてください。そうすれば、あなたは生きたマーケティング力を獲得することができるでしょう。
さて、話は変わりますが、なぜ世の中には、数多くのビジネスや商品が存在するのでしょうか?なぜ新たなビジネスや商品は尽きることなく誕生し続けているのでしょうか?
それは、たったひとつの商品で、すべての人の問題を解決することはできないからです。たくさんの人を満足させられる商品があったとしても、一方で、その商品では満足できない人は必ずいます。その商品では自らが抱える問題が解決できなかった人です。新商品はそうした人たちの問題を解決するために誕生するのです。
これは書籍でも同じなのではないかと考えています。
この世界には、すでにすばらしいマーケティングの書籍がたくさんあります。ならば私がまたこうしてマーケティングの書を執筆する意味とはいったい何でしょうか?
理由はただひとつです。
それはビジネスの世界で、うまく行かず、もがいている「あなた」がいることを私は知っているからです。
叶えたい夢があるのに、そこに一歩も近づけないまま、まさにその夢を諦めようとしている「あなた」が、そこにいることを知っているからです。
どうしても売りたい大切な商品がある。でも売れない。そんな「あなた」を私は知っています。
なぜなら私自身が「あなた」と同じだったからです。
そして、そんな「あなた」に、今もクライアントとともに実戦現場に立ち、試行錯誤を続けている、私だからこそお話できることがあります。
これから始まる物語はフィクションです。でも、この物語の中で語られているマーケティング理論には一切、フィクションはありません。すべては私が泥の中を這いずり回り、失敗に失敗を重ね、ようやく辿り着いたマーケティングの真理です。
ようこそ実践マーケティングの世界へ。
お待たせしました。さあ、さっそく物語を始めましょう。
森本尚樹